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未来科学の平行世界 第4章 大中華合衆国への道 その⑥

 破滅の矢である大陸間弾道核ミサイルは、習近平の怨念と執念を具現化して、全世界へ向けて放たれた。

 小ぶりのミサイルは、日本やロシアなどアジアの近隣諸国へ向けて、大型ミサイルは遥かアメリカ大陸や欧州へとその軌道をすえて、どんどん上空へと飛翔していった。
 迎撃をしようにも、それはあまりにも唐突なる発射であり、各国の迎撃能力を超える数と速度で、すでにその多くは宇宙空間を目指していた。もはや止めるすべなど無いのだ。

 全世界のメディアは、その発射を速報で報じた。
 瞬く間に、全世界に驚愕と絶望が広がった。

 人の影もない砂漠の地下深くから放たれた数多くのミサイル・・・。
 それが、小さな小さな点として、しかし全世界に向けた死の火花のごとく、そのすべての軌跡がとらえらていた。

 その航路を予測し、着弾するであろう当該の国の中で、あわただしく警報が発される。
 日本においては、首相官邸に閣僚大臣が緊急収集され、緊急対策本部が立ち上げられていた。自衛隊に迎撃、撃墜指令が発せられはしたけれども、それ以降は完全に沈黙状態に入ってしまった。
 情報が与えられていないメディアは、勝手なことを報道し、勝手に興奮し、ただ喚き散らすのみとなってしまった。
 専門家と称する軍事評論家は、様々な知識を深く知っているがゆえに、絶望的な予測を述べたてていた。 

 核ミサイルの迎撃防衛システムには、いくつかの問題が指摘されていた。
 それは、すでに目標へ向けて降下態勢に入った核ミサイルを、上空で本当に迎撃できるのか?ということであった。それについては、彼らの中でも意見が割れているのだ。
 特に、「そのミサイルがどこを標的としているかを予測した上で、確実に核弾頭を木っ端微塵に粉砕することができるかどうか?」については、その軌道の確定と、その迎撃のためにきちんと射程内におさめることができる場所にミサイルが配備されていなければならないこと、さらに確実にヒットさせるために高精度のミサイル制御技術などが不可欠となるゆえに、相当の困難さが指摘されていたのである。
 それゆえに、短時間内における同時攻撃に対しては、全弾破壊はほぼ不可能。
 政府にあっては、すでに多くの迎撃用PAC‐3ミサイルを配備していたとはいえ、それは主として北朝鮮からの攻撃を想定して構築されたものであり、中国大陸からの攻撃、特に辺境にあるゴビ砂漠からの中長距離弾道核ミサイルに対する迎撃など、まったくの想定外であり、伏兵からの奇襲に相当するものだった。
 PAC‐3の射程距離は、せいぜい20~30キロメートル。そして、迎撃を確実にするためには、1発の弾道ミサイルに対して、数発の迎撃ミサイルを撃ち込むことが必須と考えられていた。ならば、日本の国土、特に主要都市を防衛するためには、千数百発ぐらいのミサイルをハリネズミのように実効配備しておくことが必要だったのだ。しかし、実際にはその十分の一にも満たない数のミサイルが、それも全国に分散して配備されているに過ぎなかったのである。

 それでは、首都すら護れない。
 もはや命運は尽きていた。

 それが、この時点における、日本政府に与えられた結論だったのである。

 おそらくは、この国はいったん滅びる・・・。
 誰もがそのように思った。
 その現実が、すぐ目前に迫っていた。
 地上は大混乱に陥っていた。

 その時、予期せぬ事態が起きたのである。

 弾道ミサイルは、いったんロケットのように宇宙空間に到るまで上昇し、無重力空間を慣性飛行によって直進。その後、弾道を地上へ向けて変更し、自由落下によって目的地へ到達し、核爆発を起こすように設計されている。
 そのミサイルが上昇し、宇宙空間に到らんとするまさにその時、宇宙空間に何らかの爆発現象が観測されたのである。

 いったい何がおきたのか?

 それは、静止衛星として配備されていた人工衛星のひとつが、核ミサイルの接近を感知し、爆発、消滅したのだった。

 その爆発は、音の無い静止空間に、猛烈な光が輝いたようでもあった。
 その静止衛星は、位置をほぼ固定したまま、燃え尽きるように光り輝き消滅した・・・。
 それは、アメリカが最新宇宙空間防衛ラインとして開発していた、対弾道ミサイル用超磁力核機雷だったのである。

 高層大気圏での核爆発にあっては、大気が非常に希薄であるゆえにエネルギーが爆風の衝撃波として解放されることは無い。 それゆえに、核爆発のエネルギーは、そのほとんどが電離放射線として変換され、その効果が周囲に大きな影響を与えてゆくことになる。
 核爆発により発生した放射線は、大気層にある希薄な空気分子に衝突する。そしてそこから電子を叩き出してゆくのである。その電子は、地球磁場によって生じている磁力線に沿って螺旋状に跳んでゆく。その結果、電子の流れは強力な電磁パルスを発生させるのである。
 この電磁パルスの影響範囲は、水平距離で千キロメートルにまで達する。それゆえに、その近隣を飛行する弾道ミサイルの電子機器は、強力な電磁シールドを施してあってさえ、破壊し尽くされてしまうのだ。
 そんな核機雷による電磁的大爆発の影響によって、習近平の放った殺戮の矢は、その中枢、時限起爆コントロールが瞬時に破壊されてしまったのである。

 核ミサイルは、上昇しきった後は地球の引力に捕えられ、自由落下の軌跡を描きつつ、目標に到達し起爆する。ただし、核兵器は単に落下し地上にぶつかったくらいの衝撃では起爆できないのだ。
 核爆発は、電子的にコントロールされた誘導爆発の力によって核物質が圧縮され、超高圧で熱せられ、核分裂に次ぐ核分裂の連鎖反応と、その超高熱状態による核融合が引き起こされることによって水爆級の大きなエネルギー放出が生み出されてくるのである。
 現在の核弾頭は、そのように計算され設計された超ハイテク機器である。
 この核弾頭の電子的制御システムが、超強力な磁気パルスによって完全破壊されたのである。
 すなわち、核爆弾が不発弾化されたのだ。

 ハイテク核ミサイルは、もはや核爆発を誘導することができないまま、鉄の砲弾と化して地上へ激突し、放射性の有害ゴミとしてバラバラに砕け散るしかなくなってしまったのだった。

 しかしながら、宇宙空間における核機雷の爆発は、地上の電子機器への影響も深刻で、情報通信を不能とし、航空管制や経済活動にまで多大なる影響を及ぼした。
 また、各国の軍隊のイージスシステムも一時的なシステムダウンに陥り、先進諸国の防衛機能も消滅した。
 電子機器に支えられた現代の科学文明が、一瞬その機能を停止せざるを得ない状況に陥った。

 しかし、そのような被害との代償として、数千万人をも一瞬にして消滅させるだけの火力をもった兵器が、完全に無効化されてしまったのである。
 その利益は、すべてを天秤にかけても余りあるものだったといえるだろう。

 核ミサイルの中には、地上へと帰還する道から逸脱し、さらに大気圏外へと押し出され、無限の宇宙空間へと放たれていったものも確認された。
 遥か宇宙空間へ飛んで行ってくれれば、地上への汚染も皆無であり、直接被害は全く無い。
 宇宙への廃棄は、理想的なる偶然の発動・・・、であったかのように思われた。
 しかし、このことが、未来の人類に新たな脅威をもたらすことになろうとは、その時点におけるすべての地球人は、まったく知る由もなかったのだった。
 
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1962年生まれの薬剤師です。

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